地中海の東端、海峡の北はトルコ、東はすぐアラビア半島という国キプロスは、地理学的には中東の国ということになっているが、国民にしてみると、ヨーロッパの一部のつもりでいるらしい。といっても、大昔からトルコとギリシャの間で領土争いに巻き込まれてきたこの島は、一九七四年にトルコ系住民がクーデターを起こして、ギリシャ系国民の多い島の南部からの独立を図ったりして紛争の火ダネは今も抱え続けている。一九八三年には島の北部が「北キプロス・トルコ共和国」として独立宣言したものの、この国を承認しているのは世界中でトルコだけ。とはいうものの、この地域には今もキプロス政府の権限が及ぶことのない状態で、キプロスは南北に分裂しているといってもいい。こんなキプロスに、EU統合に際して加盟の可能性があるという話が出て、政府は大乗り気になった。ヨーロッパからの地中海観光客を多く受け入れていて経済的には問題がなく、国民もギリシャ系となればことはスムースに運びそうだった。ところがこれに待ったをかけたのが、北キプロスだ。EU加盟交渉が、自分たちを無視した南の政府だけを対象にしたものと知って、南だけがキプロスじゃないぞ!といいはじめた。経済的には北は南の三分の一程度の所得レベルで、自分たちだってEU加盟の恩恵は受けたい、しかし南と再び一緒になってまではいやだという、ダダをこねているみたいなものだ。北が「トルコと統合する」などという脅し文句もちらつかせているようでは、わずか九千三百平方キロの島は南北で一つに統合できないままのEU統合への道のりは、かなり遠いようだ。
ジャンボ機が通常飛んでいる高度は約1万メートル。機外の気温はマイナス50度、気圧は地上の4分の1、空気の濃さは3分の1しかない。それでも飛行機内で快適に過ごせるのは、数分で機内の空気をすべて入れ替えるというエアコンのおかげだ。機内の換気、温度、湿度を調整するだけでなく、「与圧」と呼ばれる多めの気圧をかけている。これで高度1万メートルでも乗客は快適に過ごせるわけだ。客室の窓は、曇り止め用の空間をおいて2枚装置された二重構造になっている。1枚でも充分に圧力に耐えうる強度を持っているので心配はない。航空機の先端にあるコックピットの窓は、ジャンボの場合、7層構造になっていて、最も外側が強化ガラス。その内側に金属酸化皮膜があって、ここに電流を流して防水・防曇するうえ、ビニールとアクリル樹脂が交互に覆ってある。こうした設備のおかげで、地上1万メートルの雲の上でも快適な旅を楽しめるのである。だが、空気を大量に入れ換えるため、どうしても機内では乾燥する。スチュワーデスの間では、肌を傷めぬよう少し厚化粧しているほどで、乗る側も乾燥対策には充分気をつけたい。最近では、燃料費を節約するため更に高度の成層圏に近い上空を飛ぶエアラインもあり、それに乗ると肌だけでなく喉まで痛めかねない。対策としては、機内で水は非常に貴重品のため、自分でミネラルウォーターの小ぶりのペットボトルをひとつ持ち込み、小マメに水分を補給することだ。また少々カッコ悪くとも、眠る際にはマスクを着けたほうが喉を傷めずに済む。数時間のフライトならその必要はないが、長距離路線ではぜひ必要だ。日本航空などはマスク部分が蜂の巣状になって、保湿部分が多いハニカム・マスクという特製マスクを開発していて、なかなかの優れモノである。都内のJALショップなどで売っているので、ポケットにひとつ忍ばせておくといいだろう。
45度以上の泡盛は違法ではという疑問もある。ひと言でいえば違法ではない。度数が何度であろうと酒造免許があればつくれるのである。泡盛や焼酎の焼酎乙類の度数は国税庁の管理する酒税法によって45度以下と決まっていて、それ以上の度数になるとスピリッツ類か原料用アルコールという別の酒に分類される。だから与那国でつくられている60度の泡盛は、厳密にいうと泡盛ではなくお酒の分類でいえばスピリッツである。つまり、泡盛と表記せず、「スピリッツ」とすれば違法ではないわけだ。現在、日本国内で45度以上のお酒を製造販売しているのは与那国の酒造メーカー3社だけ。与那国は復帰前から60度の泡盛(当時はそう呼ばれていた)をつくっていたので、復帰後も既得権というか、慣習でそのまま免許が継続しているという。某泡盛メーカーの製造担当者に聞いたところ、「既存の酒造メーカーでも免許があれば60度のお酒は販売できます。通常の泡盛製造工程で70度ぐらいの酒はできるから。ただ、免許の認可が下りにくいことと、度数の高い酒はコストも税率も高いからやらないと思う」とのこと。2000年の秋に酒税法が変わり、焼酎の税率が上がってしまった。泡盛の将来に不安はあるが、ウチナーンチュとしてはいつまでも泡盛を愛し続けたいものである。最後に食肉センター(食肉精製所)以外で解体されたヤギは、食品衛生法違反ではないですかという疑問である。ハッキリいって違反である。復帰前までヤギの解体が普通に行われ、みんなで大々的にヒージャー汁(山羊汁)大会が行われていたが、復帰後は禁止。しかし、まだたまにヤギを密殺、解体してヒージャー汁にして食べる人がいて、年1〜2回は「ヒージャー密殺で食中毒」という見出しで新聞に載ることがある。